*インフルエンザ*

木田和典先生

 毎年、インフルエンザは流行します。インフルエンザに関して、外来でよくされる質問や最近の話題を中心に述べてみたいと思います。

普通の感冒とインフルエンザの違いは高熱が継続するなどの症状の重症度がありますが一番インフルエンザが怖いのは小さなお子さんに合併症として脳炎、脳症がおこることがあるからです。年間100-200人のお子さんがインフルエンザに関連すると考えられる脳炎、脳症で死亡しております。発熱から数時間から一日という非常に短い時間のうちに起こることが多いものです。まだ、ワクチンが脳炎、脳症を予防すると言ってよいかどうか結論はでていませんが、少しでもインフルエンザの発症を抑えることができるなら、小さなお子さんの脳炎、脳症の発症も抑えることができる可能性があると考え、私は接種することをすすめています。

ワクチンをいつ接種するのが効果的かということもよく聞かれます。インフルエンザの流行は毎年、11月から12月頃に発生が始まり、翌年の2-3月頃に増え、4-5月にかけて減少していきます。早いと今年もですが単発で11月でもインフルエンザの患者さんが出ています。3-4週間隔で二回接種すれば接種後2週間から5ヶ月程度ワクチンの予防効果が期待できます。13歳未満のお子さんで接種時期に余裕があるならば、まず、11月に一回接種して、3-4週間あけて二回目接種することを勧めています。

 インフルエンザの検査も毎年感度がよくなり、外来において15分程度でできるようになりました。患者さんに負担の少ない鼻汁を検体として利用する方法も可能になっています。発熱してすぐだとインフルエンザであっても陰性にでることがあり、発熱後12時間以上たってからの検査をおすすめしています。

 治療に関しては抗インフルエンザ薬(タミフル)が発熱時間と罹病期間を短縮することができ、近年一般に広く使用されてきました。ただし、タミフル使用後の異常行動が因果関係は不明ではあるものの、転落等の見逃すことができない事故に結びついたため、現在10歳以上の未成年の患者においては原則として使用を差し控えることになっております。(2007年3月製薬会社より緊急安全情報として各医療機関に配布される)また、10歳未満の患者においても使用にあたっては、自宅において患者が一人にならないよう配慮することを家族の方に説明するようになっています。

 また、上記のような異常行動が少ない可能性のある抗インフルエンザ薬の吸入型が小児での使用が可能になったので、こちらにきりかえたり、ワクチン接種され重症化の可能性が少ない方には漢方薬等の使用で切り抜けたり、治療方法に関しては医師の間でも色々の方法を検討中です。

 最後に重症の合併症である脳炎、脳症への対策としても治療効果をあげ、インフルエンザになったとしても罹病期間を短くするという観点からもこれらの11月、12月にインフルエンザワクチンを接種することを重ねておすすめします。

参考文献

1)2006(平成18年)予防接種に関するQ&A集 社団法人 細菌製剤協会

2)緊急安全情報 中外製薬株式会社 医療情報センター 2007年3月配布

3)小児科へ行こう! 主婦と生活社



 
1個のコメント
ID:16 2007年 11月 15日11:47 AM コメント者:あーちゃん

今年もインフルエンザ、富山でも発症したとニュースで知りました。
子供達には毎年二回ずつ接種してますが、接種してもかかったことが何度かあります。
なかなか「絶対にかからない」というのは 無理なお願いなんですね。
ただ、接種することにより、重症を避けられるのであれば、毎年何度でも接種したいと思います。
タミフルについても近年 話題になっていますが、報道される内容だけでは理解が不十分で本来の意味が伝わってきません。先生のようにお話してくださると、納得できるので たいへん感謝しています。






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